一条工務店のHPを見ると、選ばれる理由の一つに「標準仕様が良いこと」とあります。
私もそうでしたが、i-smartの検討初期段階で、この標準仕様ってどの部分なんだろうと疑問に思ったこともありました。
セゾンFのカタログを見た方はご存知かもしれませんが、このカタログにはすべて標準仕様なのか、オプション品なのか明確に表示があります。
皆様は、これまでにいろいろな住宅メーカーのさまざまなカタログを手にされたと思いますが、どこまでが標準でどれがいったいオプションなのか等、分かりにくい違和感を感じられたことはございませんか?
私たち一条工務店では、それらを踏まえ、可能な限りお客様に正直で、わかりやすい仕様カタログの制作に努めてきました。そして完成したのが、この「セゾンFタイプ標準仕様ガイド」です。
ページをめくられる度にきっとお気付きになると思いますが、この一冊に収められているすべての仕様・設備には、そのひとつひとつに必ず「標準」か「オプション」かが明示されています。(以下略)
(出典:一条工務店「セゾンFタイプ標準仕様ガイド」)
一方、i-smartのカタログにはここまで明確な記載がありません。
これからi-smartを検討される方にとってオプション以上にどの部分が標準仕様なのかを知っておくとは、検討するにあたって大切なことかと思います。
この記事をお読みいただく際に、次の用語を知っておくと分かりやすいです。
- 標準仕様…追加料金なしで選べるもの。
- 標準外仕様…いわゆるオプションのことです。別途料金がかかります。
- 標準外サービス…オプション扱いですが、キャンペーンなどで追加料金なしで選択できるもの。実質的には標準仕様と同じものの、キャンペーンが終了するとオプション扱いになります。
また一条工務店の直営とフランチャイズでは標準仕様が異なる場合もあります。
i-smartの標準仕様
キッチン
i-smartのキッチンは天板に12ミリの人造大理石を用いた「スマートキッチン」が標準ですが、標準でキッズカウンターキッチンの選択も可能です。
「スマートキッチン」には次の5種類のタイプが、キッズカウンターキッチンは2種類のタイプがあります。
- スリムカウンタータイプ…標準仕様
- ワイドカウンタータイプ…標準外サービス
- ステップカウンタータイプ…標準外サービス
- キッズカウンターキッチン…標準外サービス
キッチン設備の標準仕様は
- 「IHクッキングヒーター」または「ビルトインガステーブル」のいずれか
- 食器洗乾燥機
- 「ステンレス静音シンク」または「樹脂シンク)のいずれか
などが標準仕様となります。
キッチン設備に関するオプション
- グランドカップボード(17種類)
- i-クオリティーカップボード(6種類)
- タッチレス水栓(LIXIL・SF-NB451SX)
- INAX キッチン水栓 ナビッシュ A5タイプ
- ゼンケン浄水器(浄水器兼用水栓、単水栓タイプ)
- シーガルフォー(浄水器兼用水栓、単水栓タイプ)
- 浄水器内蔵水栓(INAX JF-AB-461SYX-IJK)
- アルカリイオン生成器(Panasonic TK-HB41-D)
- 単水栓K331N(浄水器用、井戸用)
- 単水栓K16NDSSE(浄水器用、井戸用)
- 食器洗乾燥機(除菌ミストエコナビ機能付)
- 食器洗乾燥機(除菌ミストエコナビ機能付)深型タイプ(6人用)
- IHシングルオールメタル、IHダブルオールメタル
- ガステーブル デリシア
- ビルトインオーブンレンジ(電気、ガス)
- ダウンウォール(2カ所設置)
- ステンレスバー収納
- トリップトラップチェア
- セカンドキッチン
- オイルガード(ハイタイプ:600mm)
- 床下パントリー(3、5連式)
- 電動密閉式シャッター キッチンレンジフード対応品
リュクスドレッサー(洗面化粧台)
一台が標準仕様となっています。
リュクスドレッサーのサイズは幅900ミリから2100ミリまで8サイズがラインナップされ、すべてが標準品。
「どのサイズを選んでも標準!」と大きいサイズを選択したくなるのが人情ですが、当然のことながら「大きいサイズを選択」→「施工面積が拡がる」→「建物本体価格上昇」となりますのでご注意を。
洗面化粧台に関するオプション
- オリジナルタオルリング追加
- オリジナルバスタオル掛け追加
- セカンド洗面台 ラバトリードレッサー(3種類)
- セカンド洗面台 エスタ(2種類)
- セカンド洗面台 LIXIL MV(3種類)
- セカンド洗面台横ボード施工
浴室
標準で一台、「スマートバス」または「i-スタンダードシリーズ」の1坪タイプまたは1.25坪タイプが選べます。
窓はブラインド内蔵サッシも標準で選べますが、この場合断熱性に優れたトリプルサッシではなくツインサッシとなります
浴室に関するオプション
- スマートバス 半身浴タイプ(282L)
- 親子折れ戸
- 手摺追加
- 浴室用TV
- ミストサウナ
- 換気乾燥機
- ジェットバス
- シャワーレール追加
- ボトル用ステンレスラック追加(スマートバス用)
- シャワールーム
トイレ
平屋の場合は一か所、二階建ての場合1F、2Fにそれぞれ一か所標準で設置できます。
標準のトイレはTOTOウォシュレットJ1またはS1になります。
トイレに関するオプション
- TOTO アプリコット F3A、F1A
- TOTO ウォシュレット一体型トイレ(ZJ)
- TOTO ローシルエット一体型(GG-J1、GG-J2)
- TOTO ネオレスト
- TOTO ペーパーホルダー シルバータイプ
- LIXIL サティス
- LIXIL サティス インテリアリモコン+紙巻器
- LIXIL サティス ペーパーホルダー変更
- LIXIL ベーシアハーモ フルオート便座機能あり、なし
- LIXIL ベーシアハーモ 低流動圧対応ブースター
- LIXIL ベーシアハーモ インテリアリモコン+紙巻器
- LIXIL ベーシアハーモ スマートリモコン
- Panasonic アラウーノ タイプ1、2、SⅡ
- オリジナルトイレ手洗いカウンター
- TOTO スリムタイプC
- INAX コフレル
階段
標準仕様は階段室タイプ(ボックス階段)です。
ただし階段室タイプにもコの字型、ストレートなど様々なバリエーションがあります。
階段関係のオプション
- オープンステアー
- 階段パターン(幅広、踊り場、段数など)
- 階段下物入内部仕上げ変更(壁クロス+床フローリングorクッションフロア)
オープンステアーはオプション価格2万円となっており、実質的には標準仕様に入れてもいいかもしれません。
ボックス階段、オープンステアー階段ともにメリットデメリットはあります。
スリットスライダー
天井吊り下げの引き戸で、一組が標準仕様です。
片分け戸、両分け戸ともに一組のカウントで、片分け戸を二箇所設置したい場合には、一つはオプション扱いに。
i-smartを象徴するアイテムの一つですが、設置できる場所は自ずから限られてしまいます。
設置には両分け戸の場合、スリットスライダー本体に1.8メートル、引き込みの壁に1.8メートルの合計3.6メートル(一条工務店の間取り図で4マス分)のスペースが必要
ハニカムシェード
ハニカムシェードとはサッシの内側に設置されるロールスクリーン、最も外気温の影響を受けやすい開口部の窓の断熱性を高める働きをします。
表面をハニカム状の断面にすることで、夏は熱い外気が窓から室内に伝わりずらく、冬は窓から熱を逃がさないようにしています。
- 西側の窓…避熱ハニカムシェードが標準で設置
- それ以外の窓…断熱ハニカムシェード
- 設置できない窓…勝手口土間が設置された勝手口のドア、浴室の窓
ハニカムシェードに関するオプション
- 東、北、南側の窓に設置する断熱ハニカムシェード
- レースハニカムシェード
- 自動ハニカムシェード
ファインバルコニー
バルコニーの手すりとして標準で設置できます。ガラス部分は「透明ガラス」または「ミストガラス」から選べます。
またファインバルコニー以外にもJY手摺りの選択も可能です。
ボーダータイル
外壁は標準で石面調のボーダータイルが選択できます。
他ハウスメーカーで総タイル貼りにすると数百万円は掛かります。これがi-smartでは標準仕様になっています。
ただしオプションのハイドロテクトタイルのようなセルフクリーニング効果(太陽光で汚れを分解し、雨水で洗い流す効果)はありません。
外壁に関するオプション
- ハイドロテクトタイル
シューズボックス・シューズウォール
標準でシューズボックス(上記写真)またはシューズウォールが選べます。
収納力では断然シューズウォールに軍配が上がりますが、シューズボックスも棚部分に物を置いたり、窓の設置も可能です。
クローゼット
施工面積6坪に一ユニットを標準で設置できます。設置可能なのは
- トータルシステムクローゼット
- システムクローゼット
- ウォークインタイプ
- ブックシェルフ
- システムパントリー
と種類も豊富。種類が多いので、詳細については下記画像で確認してくださいね(クリックで大きい画像が開きます)。
全館床暖房
(床暖房のヘッダー部分、現在は不凍液(ピンク色)の代わりに水道水が使われていますので、ランニングコストも減少)
温水式床暖房パネル方式による床暖房システムが標準仕様となっています。
設置されない場所は玄関土間(寒冷地以外)、収納スペース(ウォークインクローゼットは除く)、冷蔵庫スペース、階段になります。
この写真は工事中の我が家。
床暖房のパネル及び温水を通す樹脂管の様子。ヘッダーボックスから各エリアごとにつなぎ目のない一本の樹脂管で施工されています。
給湯器
標準仕様のエコキュートは三菱「フルオート(角型)370L」一種類となっています。
家族の人数、使用するお湯の量によっては「460Lタイプ」、敷地の関係で接地面積を取れない場合「薄型」、シャワーの圧力が必要な場合は「ハイパワーフルオート」への変更など、オプション品の検討も必要になります。
給湯器に関する主なオプション
- 三菱エコキュート「フルオート(角型)460L」
- 三菱エコキュート「ハイパワーフルオート(角型)370L」
- 三菱エコキュート「フルオート(薄型)370L」
- 三菱エコキュート「ハイパワーフルオート(薄型)370L」
- 長府製作所エコキュート「ecoとくフルオート(スリム型)370L」
- 長府製作所エコキュート「ecoとくフルオート(角型)460L」
- 長府製作所エコキュート「ecoとくフルオート(スリムタイプ)370L」(EHP-3701AZP)
- ECO ONE「ダブルハイブリッド(ユニバーサルデザインリモコン)」
24時間換気システム「ロスガード90」
給気・排気とも機械換気で強制的に行う第一種換気システムが標準仕様です。
換気による熱損失を防ぐために、ロスガード90は熱交換器により、冬は温度の90%を回収しています。外気温度0℃、室内温度20℃の時でも外気0℃を直接室内に取り込まず、熱交換により18℃で換気を行ってくれるのです。
気になるのが電気代ですが、ロスガードの消費電力はわずか90W。一日当たりの電気代は58円ほどです(1kWh27円で計算)。
さらに換気だけではなく、高性能フィルターにより花粉やPM2.5などの有害物質も除去してくれます。
防犯警報装置器
警報装置の子機(上記写真)が窓に標準で設置されます(窓の設置場所は防犯装置ということで省略させていただきます)。
窓からの不法侵入に対し、105デシベルの警報音で威嚇し、異常を知らせる装置をご用意しています。(中略)音で近隣の注意をひきつけるこの装置は、万一のガラス破りへの有効な対策になることはもちろん、設置されているだけでも威嚇効果が期待できます。
(出典:一条工務店HP)
最後に
とあるハウスメーカーのHPを見ると「住宅展示場の本当の見方を教えます~ソファに座れば未来が見えます」と書かれていますが、住宅展示場はハッキリ言ってHMがお客に夢を見させる場所です。
いくらソファに座っても、アンケートを書かされるか、懐具合を探られるのが落ちで、本当に自分が建てる家のイメージを掴むことは不可能に近く、少なくとも想像力の乏しい私には少しも未来は見えてきませんでした。
それに比べると一条工務店では住宅展示場の「モデルハウス仕様」が「標準仕様」となっているところが多いと感じます(最近では大分変って来たようですが…)。
標準仕様へのこだわりを標榜している一条工務店は今後どこに向かって走っていくのか、これからも注目していきたいものです。
コメント