一条工務店i-smartでは勝手口を1か所、標準で設置できます。
勝手口が必要か、必要でないかについては賛否両論ありますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。さらに我が家ではこの勝手口内に内土間を設置しました。
そこまでしても設置したかった理由や9年間使い続けた感想も含めて内覧会としてご紹介します。
i-smartの勝手口内土間とは
勝手口内土間はオプション
勝手口内土間の施工は土間の面積に関係なく一律23,000円のオプションになります。
極端な話、この写真のようにキッチン全体を伝統的な日本家屋のような全面土間にしても同じ値段です(全面を土間にできるかは不明ですが)。
さらに勝手口に網戸を設置したい場合、こちらもオプションとなります。
高性能樹脂サッシ用網戸のオプションには全窓とありますが、勝手口ドアとバルコニードアは含まれない点に気を付けましょう。
高性能なのは樹脂サッシであって網戸ではありません。
なおこの勝手口の網戸を後から設置する場合には
網戸…17,000円、取付工事費…10,000円
内土間の面積
勝手口の内土間なので、土間部分の面積はわずかなものです。
およそ0.5㎡程度です。
土間は玄関のようにタイル貼りはされずに引渡しになります。写真は引渡し直後、まだ未使用の土間の様子なのですが、左官屋さんがあまり上手ではなく、コンクリート表面にはムラがあります。
施工中の写真はこちらの記事に掲載しています。
施工された内土間の大きさを計測してみました。1マスの内土間で、特別に指示をしない限りこの広さとなるはずです(内土間のサイズは任意で指示できます)。
横幅は約68㎝
次に長さは約70㎝、ほぼ正方形に近い形状です。
最後に土間からの高さは約17㎝あります。図面上は-180と表記されていますが、それよりは1㎝土間が低く施工されています。
ただし框部分を斜めに施工するなどした場合には、別途料金が発生します。
内土間を設置するための間取り
勝手口設置にも、出入りする場所が必要になりますが、内土間となるとさらに必要な面積が大きくなります。i-smartの場合約2マスを犠牲にする必要があります。
土間正面、あるいは左右のいずれかは土間へのアクセスのため、何も設置できません。
例えばこちらのような図面のキッチンと勝手口の配置では、内土間の設置が不可能です。
間取りが固まった後で、内土間の設置を検討する場合には、キッチンの動線や配置、さらに面積や形状まで変更する必要があるので、間取り全体の見直しが必要になる場合もあることを頭に入れておいてください。
勝手口内土間が必要な場合、設計前に希望を伝えるようにした方が、スムーズに打ち合わせが進むと思いますよ。
内土間を設けるメリットとデメリット
内土間を使い始めて9年が経ちましたが、その中で感じたメリットとデメリットは次のような点です。
勝手口内土間のメリット
- サンダルなどの履物を雨に濡れずに室内における
- 冷蔵庫に入れない根菜類や取れたての土がついたままの野菜でも保管可能
- ゴミを一時的に置くスペースとして活用可能
履物の室内保管が可能
内土間を設けない場合、勝手口から外に出る際に使う履物をどこに置くのか考えておく必要があります。
土間を設けない場合、
- 勝手口の外に雨除けの屋根(例えばオプションのアーバンルーフ)の設置
- ストックヤードを外構で設置
- 履物を室内に置くスペースや保管するものを設置する
など様々な方法が考えられます。
いずれも費用面や管理面から我が家では見送り、内土間の採用となりました。
野菜の保管場所
i-smartは標準で全館床暖房が設置されます。家中どこでも暖かい快適な暮らしができるのですが、難点としては冷蔵庫に入れられない野菜の保管場所の確保が難しくなる点。
一見デメリットと思われる床暖房の設置ができない内土間を、有効活用できるのがこの保管場所としての役割です。
ゴミの一時的な保管場所
キッチンの生ごみは、毎日勝手口のポーチ脇に置いたポリバケツに捨てる我が家。
ただ勝手口の外には屋根がありません。雨が強い日などは、外に出さずに、とりあえずゴミを土間に置いておくことも抵抗なくできます。
このようにメリットはいくつかあるのですが、土間を設けることによって勝手口の利用頻度が高まったのが最大のメリットかな、と感じています。
勝手口のみでは、外に出るためだけの単なる開口部としての役割しかありませんが、土間はプラスアルファの機能を勝手口に持たせることが可能です。
勝手口内土間のデメリット
- 内土間を設置した勝手口にはハニカムシェードが付けられない
- 床暖房が設置できないため、冷気を感じることも
ハニカムシェードが付けられない
勝手口内土間にはハニカムシェードの設置はできません。
我が家の勝手口は家の北側になるので、避光という点では特に問題ありません。北向き以外の勝手口の場合には何らかの対策が必要になります。
家の東西南北の壁が受ける一年間の受熱量を調べると、関東地方で最大となるのは東の壁、次いで南、西、北の順になります。東向きに勝手口を設置には気を付けてくださいね。
床暖房が設置できない
冬は土間からの冷気を多少ですが感じることはあります。先ほどの野菜などの保管に適した場所としてのメリットは同時にデメリットにもなります。
実際の温度はどうなっているのか、測ってみました。
上の2枚はほぼ同時刻のリビングと土間付近の温度。土間付近は約1℃ほど低くなっていました。
下の2枚は土間の温度と土間付近のフローリングの温度、キッチンのフローリングは23℃ほどありました。
土間近くにしばらく立つと、若干ですが足元に冷気を感じるレベル。動いている場合に冷気を感じることはありませんでした。
使用した機器はこちらの2点です。
勝手口ポーチ
内土間の有無にかかわらず、勝手口にはポーチが設置されます。
内土間の場合、勝手口の樹脂サッシの高さが通常に比べ約18センチ下がった位置になることから、ポーチの高さが低くなります。
我が家はフランチャイズの一条工務店群馬での建築となっており、このポーチ部分は標準で3段となっていました。頂いた情報によると、直営では内土間設置でのポーチは2段が標準、3段にするとオプションとなるようです。
3段のポーチを設置される場合、事前に設計士に確認をお願いします。
一条工務店の直営・フランチャイズについて分からない場合にはこちらを参考にしてください。
最後に、勝手口内土間は必要か?
内土間が必要かを考える以前に、勝手口が必要なのか、必要でないのかは各ご家庭により考え方が異なります。勝手口は標準で設置できるため、設置前提に設計士も間取りを作ってくれると思います。
しかし防犯面で勝手口はマイナス要素にしかなり得ません。我が家のように、生ごみを勝手口から外に出すなど、明確な目的がない場合には設置そのものをよく考えたほうがいいと思います。動線を悪くし、貴重な1マスをつぶしてまで勝手口を設けるのはもったいないと思います。
また勝手口を設けるのであれば、外構を含めた外の動線も事前にしっかりと考えておかないと無駄になりかねません。
勝手口を設ける場合、あくまで我が家の使い勝手から考えた場合ですが、内土間は非常に使い勝手がいいと思います。2マス消費しても設置するだけの価値はありますし、オプションとしての価格も決して高いものではありません。
内土間の設置率はそれほど高くはないと思いますが、この記事をご覧になって少しでも検討のお役に立てたならうれしいことです。
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