知っておけば結露対策に役立つ絶対湿度と相対湿度の違い

住み心地・掃除
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全館床暖房を使い始めるこのこれからの時期、結露に頭を悩ませる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

天気予報などでお馴染みの湿度ですが、この湿度は「相対湿度」と呼ばれるものです。結露を考える上にはこの他にも「絶対湿度」を理解しコントロールすることが欠かせません。

今回はそんな結露の発生する仕組みを理解するうえで欠かせない湿度について考えてみました。

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相対湿度と絶対湿度のイメージ

電車を空気、乗客をその空気に含まれている水蒸気として考えれると相対湿度、絶対湿度が何を意味するのか分かりやすいかと思います。

相対湿度のイメージ

この電車、乗車率は50%と分かっています。ただし電車の定員が何名なのかが分からないので、乗客数までは分かりません。また電車が混んでいないことは分かります。

この50%に当たるのが相対湿度です。

この温度の空気が持てる最大の水蒸気が何グラムなのか分からないので、実際に空気中に含まれている水蒸気が何グラムかまでは分かりません。

電車の定員に当たるのが飽和水蒸気量です。乗車率100%の電車で「もうこれ以上乗れません(もうこれ以上空気中に水分を含めません)」という状態のことを指しています(厳密にいえば電車は定員の2倍でも乗車可能ですがそれは考えないことに…)。

飽和水蒸気量(電車の定員)に対して現在空気が何パーセントの水分量が存在しているのか(乗客が何人いるのか)を百分率で表していたのが相対湿度(%)になります。

絶対湿度のイメージ

同じように絶対湿度を表現したのが次のイラストです。

今度は乗客の数は分かるのですが、定員が10名の電車に8名が乗車しているのか、定員20名で8名の乗客が乗っているのか、電車の混み具合については全く分かりません。

この電車に乗っている乗客数、すなわち空気中(1㎤あたり)に含まれる水蒸気(g)を数値で表したものが絶対湿度になります。

温度変化と飽和水蒸気量

実は空気が含める最大の水分量(飽和水蒸気量)はいつも一定ではありません、温度によって変化します。

先ほどの例と同じく電車で考えてみます。電車が空気、乗客が水蒸気として見てください。

2016112603

空気の温度が上昇すると、同じ一両の車両に乗れる乗客数は増えます。

2016112606

定員2名だった電車は、温度が上がることで定員4名の電車に変化するのです。暖かい空気ほどより多くの水蒸気を含むことが出来ます。

温度に対する飽和水蒸気量をグラフにすると次のようになっています。

2016112608

温度によって飽和水蒸気量はこのように変化します。

結露の仕組み

先ほどの電車の例で温度が下がるケースを考えると結露の仕組みは簡単です。

2016112606

定員4名で2名が乗車している電車がありましたが、気温が下がりました。

2016112603

電車の定員は2名になりました。さらに気温が下がってくると電車に乗れなくなった乗客は

2016

電車から出てきてしまいました(急に乗客が増えているというツッコミはなしでお願いします)。

このように暖かい空気が冷やされ、冷やされた温度での飽和水蒸気量を超えてしまった水分は結露として接触面に現れるのです。

窓につく結露もこれと同じで、室内の空気が冷えた窓によって急激に冷やされた結果、飽和水蒸気量を超えた水蒸気が窓ガラスに水滴として現れてくるのです。

結露するかしないかの具体的な判定方法

窓の表面温度の飽和水蒸気量以下に室内の絶対湿度(水蒸気の量)をコントロールできれば結露は生じないはずです。

ここで難しいのは窓やサッシの枠の表面温度が何℃にまで下がるのか普通の温度計では正確に測定できない点です。この測定が可能な放射温度計は安いものも売られていますので購入してみるとなかなか面白いです。

窓だけではなく床暖房中のフローリングなど、今までは感覚的に暖かい、冷たいと感じていたものが数値で測定できるのは便利です。

例えば11/27の我が家の2F北向きの主寝室の温度と湿度は

2016112609

室温20.7℃、雨が降っているためでしょうか湿度はいつもより高い50%となっています。全館床暖房はこの時間はセーブ運転24℃設定、加湿器は稼働させていません。

この温度での飽和水蒸気量は18.04g/㎥、絶対湿度は9.02g/㎥になり、露点温度(水蒸気を含む空気を冷却したとき、凝結が始まる温度)は9.9℃になります。

一方同時刻の窓の表面温度は

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15.3℃でした。翌朝の最低気温の予想は9℃ですが、室内の窓の表面温度はここまで下がらないので明朝の結露考えにくいです。

そして翌朝、6時の気温は10.9℃に上昇していました。

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室温は夜11時から床暖房の設定温度が28℃になったことから上昇しています。

一方窓の表面温度は

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昨晩より上昇していました。生活排湿絶対湿度は10.56g/㎥と1.5g/㎥ほど上昇しています。この時点の露点温度は12.4℃ですから結露はしていません。

温度と相対湿度から結露をする温度(露点温度)は計算することが出来ますが、外気温で窓がどの位まで冷やされるのかが分かっていないと結露判定は難しい面もあります。

*簡単なのですが気温と相対湿度から絶対温度と露点温度を計算できる表をExcelを作ってみましたので興味のある方はどうぞ。

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参考 絶対湿度露点計算シート

最後に

最近のi-smartⅡはトリプルサッシが標準になっていますから、私が建てた頃のペアサッシより結露しにくくなっています。そんなトリプルサッシでも過加湿の状態では結露が発生します。

乾燥が気にならなければ絶対湿度を低めにコントロールしたり、室温を低めにコントロールして過度の乾燥状態にせず結露を防止する方法など対策も様々あります。

さらに一条ブロガーの方の中には、このような窓の表面の結露だけではなく内部結露を判定するエクセル計算シートをお作りの方もいらっしゃいます。素晴らしいもので大変参考になります。一度ご覧になってみると良いかもしれません。

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