一条工務店のi-smartⅡを検討する際に、「一体どのくらいのお金が必要になるのだろう?」は皆さんもっとも気になるところかなと思います。
我が家が建てた際に掛った費用については、今から9年前に取り上げたことがあります。
この時、紹介した我が家の建物本体の坪単価は、約58万円(施工面積は47坪)でした。
ところが坪単価は毎年上昇の一途をたどり、現在我が家が同じ家をもう一度建てようとすると、建物本体工事だけで420万円も高くなってしまいます。坪数減らさないと、当時の我が家の予算では建築が難しく、この9年間の価格の上昇には驚かされます。
オプション一覧表をご利用いただいた方から頂いた情報をもとに、「現在30坪のi-smartを建てた場合には、どのくらいお金が掛かるのか」について見ていきます。
i-smartⅡの建物工事
今回見ていただくのは
- 商品種類:i-smartⅡ
- 施工面積:30.2坪
- 建築地:南関東(一条工務店直営エリア)*¹
- 契約年月:2018年7月
- 住宅ローン:一条住宅ローンのi-flat利用
の物件になります。
i-smartの建物工事の内訳は次の4つに分かれています。
- 建物本体工事
- 建築申請・その他業務諸費用
- 付帯・屋外給排水・雨水排水・浄化槽・ガス配管工事御見積書
- 標準仕様外工事(オプション)見積書
それぞれ詳細を見ていきましょう。
i-smartⅡの建物本体工事
建物本体工事の坪単価
i-smartⅡの建物本体にかかる金額です。
一条工務店の建物本体工事価格は(施工面積)×(㎡単価)で計算されます。この記事では分かりやすいように(施工面積)×(坪単価)で表示しています。
この坪単価は2018年7月契約時の坪単価です。2018年12月までさらに25,000円の値上げが行われていますので、2018年12月契約の30.2坪で約678千円となっています。今回はこの678千円で計算を進めていきます。
2018年12月の施工面積ごとの坪単価をグラフ化したものです。
坪単価は施工面積が大きいほど低くなりますが、①30坪未満②30坪以上50坪未満③50坪以上で低減する割合が違っている点に特徴があります。
一条工務店のi-smartⅡやi-cubeⅡの坪単価の特徴をまとめたものがこちらです。
- 坪単価は建物の大きさによって異なります。施工面積が大きいほど坪単価は低くなっています
- 坪単価は契約時期により異なります
- 坪単価は建築地域により異なります
- 平屋の坪単価は+3万円です
- i-cubeⅡの坪単価はi-smartⅡの坪単価より3万円安くなります
- 坪単価は契約、または仮契約時の金額で固定され、その後の上昇には影響されません。
建物本体工事に含まれるもの
この建物本体価格には
- スマートキッチン
- リュクスドレッサー(洗面台)
- トイレ(平屋は1か所、二階建ては2か所)
- スマートバス
- ロスガード90(セントラル熱交換換気システム)
- 防犯警報装置
- 全館床暖房(i-smart、i-cube)
- ハニカムシェード(i-smart、i-cube)
- クローゼット(個数に制限あり)
などの住設が標準仕様品として含まれています。
施工面積と延べ床面積の違いについては、こちらの記事をご覧ください。
建築申請・その他業務諸費用
内訳としては
- 確認申請・長期優良住宅手続及び諸費用 357,100円
- 中間検査申請手数料 25,000円
- 適合検査及び諸費用(フラット35) 40,000円
となっています。
この建築申請等の諸費用は、おおむね30万円~50万円程度に収まるケースが多いようです。
長期優良住宅の申請手続き費用
標準仕様が長期優良住宅の基準に適合するi-smartⅡにおいて、敢えて申請する必要があるのか、微妙な選択となります。よく検討されて申請するようにしてください。
我が家の場合、金銭的なメリットがなく、義務だけが残ってしまいました。
明細上では建築確認申請と長期優良住宅申請費用が合算されていますが、長期優良住宅の申請手続き費用は、私のケースでは15万円が計上されています。
今でも変わっていなければ、建築申請費用としては、およそ20万円程度になるかと思います。
適合検査及び諸費用(フラット35)
また今回のケースでは一条工務店のi-flatを利用するため、4万円の申請手続き費用が掛かっています。フラット35を利用しない場合には、この費用は発生しません。
しかしi-flatは、融資手数料がキャンペーン中で0.432%(税込)と格安となっていることから、固定金利で借入する場合、i-flatを利用したほうが総支払額を抑えることが可能です。
付帯・屋外給排水・雨水排水・浄化槽・ガス配管工事
内訳は
- 仮設工事 420,000円
- 屋外給水設備工事(一般仕様) 240,000円
- 屋外排水設備工事 249,500円
- 屋外雨水設備工事(浸透式) 232,400円
となっています。
新規で上下水道を引く場合はさらに費用が掛かりますし、浄化槽、オール電化ではないガス併用などは金額が異なってきます。
また敷地に面する道路が狭い、敷地に高低差がある、基礎工事で出た土砂を搬出する場合など、特別運搬費が別途かかる場合もあります。安い場合などは10万円程度から、高くなると100万円を超える場合もあります。
標準仕様外工事(オプション)
オプションに関しては、そのお宅の考え方によってもかなり金額が変わってきます。今回は採用実績が多い、人気のオプションをピックアップしてみました。
- ベタ基礎 336,000円
- ハイドロテクトタイル外壁全面貼り 392,600円
- LED照明で省エネ・節電キャンペーン 86,100円
- オープンステアー 20,000円
- グランドカップボード(ベーシックタイプ) 243,000円
- オリジナルリモコンニッチsa追加 15,000円
- エアコン工事一式(電気工事別) 62,300円
- トリプルハニカムシェード変更(電動式へ変更) 10,000円
- 屋外物干金物(屋外壁付けタイプ) 8,400円
- オリジナルシステムキッチン水栓変更(センサー式タッチレス水栓) 13,400円
- 食器洗い乾燥機変更(深型タイプ・バイオパワー除菌) 51,000円
- トイレ変更(ウォシュレット→タンクレストイレ) 47,500円
- 電気工事追加(スイッチ・コンセント等) 100,000円
- 玄関ドア電気リモコンキー(UBアーチハンドル/e-エントリー一体型)70,000円
- オリジナルテレビボード 9尺 360,000円
- オリジナル太陽光システム(発電容量:5.040kW 申請年度:H31)1,270,500円
この他にソーラーカーポートや床材をライブナチュラルへ変更などのような高額のオプションを採用される場合には、金額が大きく変わってきます。
また地盤改良が必要になる場合もあります。表層改良、柱状改良工事(ソイルセメント)、小口径鋼管杭など、100万円前後の費用となる場合もあります。
標準外仕様工事、いわゆるオプションの金額がいくらかかるのか、シミュレーションしたい方は、こちらの記事をお読みいただいた上でお問い合わせください。
i-smartの建物工事合計
ここまでの金額を足したものが建物工事にかかる費用の合計額となります。
建物本体工事 | 19,720,600円 |
建築申請その他業務 | 422,100円 |
付帯・屋外給排水工事 | 1,141,900円 |
標準仕様外工事 | 3,085,800円 |
建物工事費合計(税抜) | 24,370,400円 |
消費税(8%) | 1,949,632円 |
建物工事費合計(税込) | 26,320,032円 |
税込で2632万円となりました。
建物本体工事の坪単価は653千円でしたが、オプションまで加えた建物工事費合計での坪単価は 872千円となりました。
施工面積にも左右されますが、おおむね坪単価に20万円前後プラスしたものが、建物工事費合計の坪単価となるケースが多いように感じます。
その他の住宅建築に掛かる費用
建物工事費以外にも、家を建てる際には様々な費用、手数料が必要になります。
土地取得、外構工事など金額が大きく建物本体工事と併せて、しっかりと検討する必要があります。
一条工務店の工事代金の支払い方法は次のようになっています。
- 契約時契約金 100万円
- 工事着手承諾着手金(工事代金の1/3-契約金)+預かり金 (80万円)
- 上棟時上棟金(工事代金の1/3)
- 引き渡し前最終金(工事代金の1/3)
この支払サイクルに加えて発生する建物以外の費用についても、事前に念入りに資金計画を立て、資金ショートが発生しないように心掛ける必要があります。
最後に
消費税が10%に増税された場合、さらに費用がかさむことが予想されます。
ただし住宅取得者の負担を緩和するための施策も同時に打ち出されており、必ずしも駆け込みの契約が得になるわけではありません。
気を付けたいのは住宅ローン減税、すまい給付金などすべて建築後に効果が出る、給付金が支給されるといった施策になります。支払段階では増税分の支払いは発生します。
またi-smartⅡの価格とは関係ありませんが、住宅を手に入れてからも支払いは発生します。
固定資産税や不動産取得税の支払いなどです。
これらの費用も念頭に入れて、家づくりにいくらかけられるのかご家族でよく話し合ってみるのもいいかもしれませんね。
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