我が家では昨年の9/14に太陽光発電がスタートしちょうど一年が経過しました。
売電が始まってからは毎日の発電量も勿論ですが、季節、天気による発電の違いなど素人なりに色々と楽しみながら数値を眺めています。
今回は一年間のデータを公開させていただくことで、これから太陽光発電の導入を考えられている方の検討にお役にたてればと思います。
太陽光発電設備に関するデータ
我が家の太陽光発電の設備に関するデータになります。
- 太陽電池モジュール(単結晶)…20.09kW(屋根15.17kW、ソーラーカーポート 4.92kW)
- 屋根勾配…1.5寸(屋根搭載・カーポート共)
- パネルの方位角…真南より2.45度東向き
- パネル設置場所…群馬県前橋市
- 買取価格…全量買取32円(税込34.56円)
- 夢発電システム利用…金利1%、支払回数120回(10年)、元利均等返済、毎月の元利金合計57,821円
特に断りが無い場合、発電量は我が家のパネル搭載量20.09kWによるデータです
パネルの仕様については、日本産業のHPをご覧ください。
発電量に関するデータ
前橋市は日照時間が47全国都道府県中第3位(1983~2013年までの30年間)と太陽光発電を行うには恵まれた地域になっています。
ここ一年間の全天日射量
ここ一年間の発電量を見る前に、全天日射量がどうだったか見てみます。ちょっと乱暴な説明になりますが、全天日射量とは日差しの強さを表し、発電量と極めて強い相関関係があります。
全天日射量については気象庁のHPでデータが公開されています。
ここ10年間の前橋の全天日射量の平均は年5077.08MJ/㎡でした。これに対して直近一年間の全天日射量は5076.21MJ/㎡となっています。
従ってここ一年間の発電量が当地では平均的な値であると言えます。
全天日射量などについてはこちらの記事をご覧ください。
1年間の発電量
20.09kWのパネルを搭載した一年間の我が家の発電量です。
- 2015年 9月 1078.10kWh(53.66kWh)
- 2015年10月 2127.60kWh(105.90kWh)
- 2015年11月 1304.66kWh(64.94kWh)
- 2015年12月 1572.13kWh(78.25kWh)
- 2016年 1月 1629.95kWh(81.13kWh)
- 2016年 2月 2144.34kWh(106.74kWh)
- 2016年 3月 2479.23kWh(123.41kWh)
- 2016年 4月 2488.25kWh(123.86kWh)
- 2016年 5月 2693.47kWh(134.07kWh)
- 2016年 6月 2208.94kWh(109.95kWh)
- 2016年 7月 2281.86kWh(113.58kWh)
- 2016年 8月 2284.70kWh(113.72kWh)
- 2016年 9月 932.14kWh(46.71kWh)
- 合計 25225.37kWh(1255.93kWh)
*注1:()内はパネル1kW当たりの月間の発電量 *注2:2015年9月は9/14~9/30までの17日間、2016年9月は9/1~9/13までの13日間 *注3:電圧上昇抑制は発電開始より一度も起きていません
1時間当たりの発電量
1時間当たりの発電量をプロットしたのが次のグラフです。
まだ一年分のデータしかありませんが、時間当たりの発電量は3~5月頃にピークを迎え、その後は低下し、12月の冬至頃最低となります。
我が家のパネル搭載量20.09kWの時間当たりの最大発電量は17.38kWh(搭載量の86.5%)でした。17kWhを上回る発電量を記録したのは一年間で4回だけでした。
傾斜面日射量と発電量の関係
次のグラフは傾斜面日射量と発電量(パネル1kW当たり)の関係を表したものです。同じ日射量でも気温の低い冬の時期は発電量が多くなり、夏は低くなっているのが判ります。
青が一年間、4513時間分のデータ、黄色で表示されるのが該当月のデータです。
データにバラつきがあるのは全天日射量を計測している前橋地方気象台と発電を計測している我が家の距離が離れているため日射量が若干異なるためです。
冬~春先のように雲が少ない晴天が続く季節のデータは比較的きれいな直線になっていますね。
1月のデータを見ると
赤丸部分のような日射量があるにもかかわらずほとんど発電していない時間帯があります。これは積雪のためです。いくら日が出ていてもパネルに雪が積もっていては発電しませんよね。
一条工務店シミュレーションとの比較
一条工務店のシミュレーションによれば初年度の発電量は20,997kWhだったので、初年度はシミュレーション対比で120.2%の発電量となりました。
他のブロガーさんの記事を見ても多くの方がシミュレーション値を上回る発電量を報告されていることから、一条のシミュレーションはかなり保守的な数値であるかと思われます。
初年度が120%の発電量であったことから、シミュレーションの予想発電量は毎年1%の経年劣化を考慮した20年後の発電量になるのでしょうか。
売電額
一年間の売電額
冒頭でご紹介した通り我が家の売電単価は税込み34.56円となっています。この一年の売電額は871,985円でした。
我が家の場合の太陽光の導入に関する費用は次の通りでした。
- パネル代、パワコン代、工事費 6,583,788円(税込み)
- 夢発電金利(金利1%) 353,926円
- 夢発電金消印紙代 10,000円
- 東京電力接続料(工事負担金) 511,677円(税込み)
合計で7,459,391円です。
今年の発電量が向こう20年間1%ずつ低下したと仮定すると20年間売電総額は1587万円になりますから差引き841万円ほどの収益が得られることになります(税金、パワコンの定額電灯代、パワコンの交換費用などは考慮していません)。
夢発電の元利金合計は6,937,714円なので、このまま発電してくれれば約8年半で返済できる計算になります。
現在の売電単価等で計算
売電単価は毎年のように下がり続けています。平成28年度の10kW以上の調達単価は24円(税込25.92円)となっています。
また夢発電も金利が1.5%( 提携のセディナソーラーローンで1.4%)となっており、太陽光発電の収益は減りつつあります。
最新のパネル価格が分からないのですが、先ほどの現在の条件で我が家の売電額を計算してみると20年間の売電総額は1190万円となります。これに対して金利1.4%のローンを組むと総返済額は706万円ほどになり返済期間は11年半ほどに伸びてしまいます。
年間ベースの損益でも初年度売電額654,005円に対してローンの元利金返済額は705,917円と持ち出しの方が多くなってしまいます(パネル代の値下がりは考慮していません)。
トータルでは単価の下がった現在でも最終的な損気はプラスになりそうなので、資金繰りを考えれば、夢発電ではなく住宅ローンに組み込んだ方がよさそうです。
フラット35では売電収入の一部を年収に加算する制度もあります。
最後に
我が家が設備の認定を申請した二年前はまだ売電単価も高かったことから、一条工務店のPRにもあったように「載せるほどにそのメリットも大きくなる」が当たり前の時代でした。私もその流れに乗って太陽光発電についてはあまり深く考えずに採用しています。
太陽光発電をめぐる環境は年々悪化しています。太陽光発電を採用するのかしないのかの判断も慎重にしなければなりませんし、採用した後でも損益の管理は昔以上にシビアに見ていかなければならないかと思います。
そのためにも発電に関する数値の把握を行い、機器の不具合なども早めに見つけられるよう管理していくことが求められます。
コメント
こんにちは
現在、一条で太陽光パネルを13kwほど搭載したi-smartの建築を検討しています
住宅ローンに組み込んだ方が良いとのことですが、売電収入額を考慮すると太陽光パネルの減価償却費を差し引いたとしても、申告義務が出てくるのではと心配しています。そこで、夢発電にすれば、「返済分を差し引いた額が収入として計算できるのでは?」と期待しています。
夢発電の場合、実際に収入として口座に入るのは、差し引き後の額なのでしょうか。それとも、契約者はあくまで自分なので、一旦口座に収入として入り、その後口座から引き落とされる形になりますでしょうか
ご教示いただけますと幸いです
こんばんは(^^)先日はブログでご紹介いただきありがとうございました^^
太陽光発電の確定申告ですが、ローンに関して経費計上できるのはあくまで支払利息分のみです。元金は経費計上できません。
東電の売電額はパネル所有者の口座に全額振り込まれるものですし、夢発電の返済は金銭消費貸借契約に基づいて債務者の口座から引き落とされるものなので差引きされることはありません。
また住宅ローンに組み込んだ場合、そのローンの中の幾らがパネル代として借入したものか切り分けるのが難しくなるので、太陽光の確定申告の際に必要経費として計上できる利息がいくらになるのかも判断に迷うところですね。詳しくは最寄りの税務署に確認された方が良いと思います。夢発電のローンはこの点はハッキリしているので経費計上が可能です。
ただ住宅ローンに組み入れた場合には住宅借入金特別控除の額が増えますので、所得次第ですがどちらが得になるのかは一概に言えないと思います。
いずれにしても13kWのパネル搭載されるとのことですから、申告は必要になるのではないでしょうか(寒冷地などでは分かりませんが)。
今後ともよろしくお願いいたします^^