久しぶりに開けたHB(ヘッダーボックス)内のずらっと並んだ真鍮のバルブがフラッシュの光で輝きを放っているのが美しいです。
このHBを室内に設置できるのは一条工務店の優位点となっています。メーカの床暖房システムでは温水の分配箇所が室外になっているのが通常なので、これだと熱損失が大きくなってしまいます。
一条工務店の家を選んだ理由として、この全館床暖房が大きな割合を占める我が家。さあ今シーズンもいよいよ楽しみな床暖房の運転開始です。
我が家の全館床暖房の機器構成は
- 電気ヒートポンプ式
- 温水熱源機付エアコン 長府製作所RAY-4037E1
- 床暖房リモコン 長府製作所CMR-2630
熱源は長府製作所のシステムを使っていますが、HB、床暖房のパネル及び不凍液を通す樹脂管は一条オリジナル
となっています。なお寒冷地では仕様が異なりますのでご注意ください。
床暖房開始にあたっての準備
昨年の最初の運転開始時には分からないことだらけだった床暖房も二年目ともなるとだいぶ扱いに慣れてきた感じがします。床暖房開始に当たってはまず準備・確認が必要な場合があります。
不凍液の確認
引渡しの際に頂いた不凍液一箱ですが、床下点検口の中に鎮座したままの状態です。お値段は7~9千円くらいで売られているものです。
念のため給水タンクのふたを開けて、不凍液の水位の確認はしてみましたが特に問題はなさそうでした。水位が低下している場合には床暖房のリモコンにエラーコード(LL、EL)が表示されるようなので、シーズン最初の運転開始時には特に注意しておくといいのかもしれません。
(追記)2017年の床暖房運転開始前に不凍液の交換をしてみました。
この不凍液ですが10年を目安に交換が必要になるとメンテナンスマニュアルに書かれています。不凍液の色が赤から茶色に変色してきたら交換の時期で、交換の費用は40坪の建物でおよそ50,000円になるそうです(新しい不凍液、古い不凍液の廃棄処分費、交換の作業代を含む値段)。
10年後にはこの不凍液の交換もそうですが、10年点検時のメンテナンス工事費用、パワコンの交換など様々な出費が考えられますので、今から少しずつお金を積み立てておく必要がありそうです。
長期優良住宅の認定を受けていらっしゃる場合にはそちらの修繕資金の積み立ても忘れないようにしましょう。
元栓の開閉
RAYエアコンの室内機のコンセントを抜かない限り、オフシーズンでもHB内の元栓を閉める必要はありません。コンセントを入れておけば床暖房を使用していないオフシーズンであっても不凍液を循環させる機能が働くためです。
逆に節電のためコンセントを抜く場合には必ず元栓を閉めておかないと、配管内の空隙が増えて床暖房の運転開始時に動作不良を起こす可能性があるので気を付けなければなりません。
我が家ではRAYエアコンのコンセントは一年を通して抜かないので、元栓も開けたままの状態で特に操作は不要でした。
今シーズンの運転開始日
昨年は11月13日、今年は11月3日に床暖房の運転を開始しています。
①体感的に夜間に寒さを感じるようになること
②週間天気予報の最低気温がコンスタントに10度を下回ってくる
ことがおおよそ我が家の運転開始のタイミングを計る要素となっています…と言うよりこの気温になると寒がりの父が耐えられなくなるので運転を開始せざるを得ないというのが本当のところです。
今年は11月3日に条件が揃いました。
床暖房を始める3日前の天気と気温の推移をみると、昨年も今年もほぼ同じような天気・気温の変化だったと後から気が付きました。
我が家の温度設定
床暖房の温度調整で皆さん苦労されるのは、この設置温度=室温となっていない点ではないでしょうか。
リモコンの設定温度が「各ゾーンを流れて戻ってきた湯温」となっていることから、これと外気温も勘案しながらの調整となるので、慣れるまでは色々と試してみることが必要になります。
単純に室温を設定できるシステムなど簡単に作ることが可能な気がするのですが…。
我が家の温度設定は
- 通常温度…28度(23:00~翌朝7:00、深夜電力の時間帯)
- セーブ温度…24度(上記以外の時間帯)
としています。この時期はまだ室温も20度程度と極端に低くはなっていないため、立ち上がりを高温にして一挙に温度を上げるような設定にはしていません。最初からこの設定です。
HBの扉の裏には取扱い説明書が張られていますが、それを見る限り我が家の温度設定は若干高いのかもしれません。
間欠運転に関しては「部屋毎の温度差が大きくなり、ヒートショックの原因となりますので全館24時間運転をお勧めします。」と注意書きがあることから、我が家では年寄りもいることから、お勧めに従い24時間運転を行っています。
気になる室温・電気代
室温の変化
まずは床暖房開始直前の温湿度計です。何の暖房器具も使わずにこれだけの温度をキープできているのが高気密高断熱住宅の素晴らしさですね。
二日経過後の同時刻の温湿度計です。
二日ほどでおおよそ3度ほど上昇しました。
このグラフは11/6から11/7にかけての主寝室と外気温の気温変化をグラフにしたものです。日中日差しの影響を受けない、温度変化が一番少なそうな北向きの部屋を選んで測定してみました。
使用したのは以前ご紹介したこちらのデータレコーダーです。
日中24.7度まで上昇した室温は、深夜0時頃にかけて23.2度まで下がりましたが、床暖房の通常運転開始後は僅かに上昇を始め、朝6時の室温は23.9度になりました。
外気温の温度差が11度近くあることを考えると、室内は温度変化が少なく、非常に快適に過ごすことが出来るのがよく分かります。
気になる電気代は?
電気使用量がどの位変化するかを調べてみました。
床暖房開始前4日間と開始後4日間の電気使用量の平均を時間帯別にグラフにしてみました。
日中は24度のセーブ運転をしていますが、室内の温度がまだ高いこともあり、電気使用量にさほどの変化は見られません。たまたま見た際には、室内の不凍液の温度が設定温度に達しているのか、室外機のファンも停止していました。
流石に通常運転となる23時以降は消費電力は増加するのですが、その差は一日平均で4.7kW/hほどに留まっています。
さらに電気代で比較してみると
「電化上手」の深夜時間帯の電力は12.16円とかなり低いことから、その差は一日当たり40.8円程度でした。
参考 東電の新しいオール電化プランである「スマートライフプラン」で試算、比較すると差は153.6円に拡がってしまいました、念のためご注意ください。
(追記)現在はスマートライフプランに変わって、スマートライフS/Lとなっています。
一日40円程度の料金上昇であれば電気代もそれほど気にせず使った方がよさそうです。寒さに耐えて風邪でもこじらす方がよほど高くつきそうです。
最後に
床暖房のシーズン当初の電気代は、それほど高くないことが分かりました。
これから冬本番、昨年の我が家の電気使用量のピークは1/16で41.2kW/h、電気代にして一日835.9円(基本料金、燃料調整費、割引などは含まず)でした。
47坪の二世帯住宅ということで一般的な広さの住宅よりもかなりの電気代になります。これからの時期どのような運転が一番効率がいいのかも色々と試してみたいと思っています。
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