先日11月分の購入電力量のお知らせが届きましたので、その結果と11月に入ってから個人的に面白いと思った発電に関するデータがありましたのでご覧ください。
太陽光発電設備に関するデータ
我が家の太陽光発電の設備に関する基本データをご紹介しておきます。
- 太陽電池モジュール(単結晶)…20.09kW(屋根15.17kW、ソーラーカーポート 4.92kW)
- 屋根勾配…1.5寸(屋根搭載・カーポート共)
- パネルの方位角…真南より2.45度東向き
- パネル設置場所…群馬県前橋市
- 買取価格…全量買取32円(税込34.56円)
- 夢発電システム利用…金利1%、支払回数120回(10年)、元利均等返済、毎月の元利金合計57,821円
特に断りが無い場合、発電量は我が家のパネル搭載量20.09kWによるデータです
パネルの仕様については、日本産業のHPをご覧ください。
11月の売電金額
10/1~10/31のデータは先日の記事でご紹介しています。
購入に関しては期間が10/7~11/5となっています。
発電量は1995kWh(太陽光パネル1kWあたり99.3kWh)、売電額は68,947円となりました。
この期間はお天気に恵まれたので、この時期にしては良い数字となりました。
我が家の夢発電の月額返済額57,821円を1万円ほど上回りました。
同じ日射量でも異なる発電量
実は11月に入って発電に関して面白いデータが取れましたのでご紹介します。11/3~11/5の3日間の発電量に関してです。
11/3~11/5の天気
11月2日には久しぶりに雨が降りました。当地では16日ぶりの雨となり、降水量も13.5mm観測しています。これでパネルの汚れも綺麗になって発電量UP!と期待していましたところ、翌日11/3~11/5まではほぼ快晴。日中は見渡す限り空にはほとんど雲の無い状態が三日も続きました。
我が家と気象台の距離は近いのですが、それでも5キロ以上は離れています。空に多少でも雲があると微妙に日射量に影響を与えるため気象台の計測している日射量の数値イコール我が家の日射量とはなりません。
ところが快晴で雲が全く出ていなければ、気象台の計測している日射量の正確性が担保されることになり、日射量と発電量の関係の比較にはもってこいです。
このような快晴の日が連続して発生するのを、実は楽しみにしていました。
全天日射量・傾斜面日射量
全天日射量はご覧の通り。三日間ほぼ快晴とあって、一日を通してだけではなく、一時間単位でもほとんど同じでした。
傾斜面日射量についても同じようなデータとなりました。傾斜面日射量についてはこちらの記事をご覧ください。
損失ゼロの発電量
傾斜面日射量にパネル容量を掛ければ損失がゼロの状態の発電量が計算できます。我が家の場合搭載パネルは20.09kWですから、損失がなければ上の表の様な発電量となりはずです。
ところが実際には
- パワーコンディショナーによる損失
- パネル温度の上昇による損失
- パネルの汚れなどによる損失
など様々な損失の要因があるため、実際にはこの表のような発電量にはなりません。
実際の発電量
実際の発電量を一時間ごとに表にしてみました。データについては太陽光発電のリモコンに記録されていたものを使用しています。
この三日間は日射量がほぼ同じにもかかわらず発電量が異なっています。特に色を塗り分けた部分の発電量に大きな違いがあります。
先ほどの損失ゼロの発電量と実際の発電量の差が、損失にあたるわけですが、この損失割合を時間ごとに並べてみましたたのが次の表です。
11/3とそれ以外の日では損失割合にだいぶ開きがあるのが分かります。この数値から考えると11/3と他の日の気象条件とを比べると、発電量に影響したものが何か分かりそうです。
話は変わりますがこのデータを見て気づいたことがあります。どうやらこの時期15時過ぎになると屋根に設置したパネルの一部に日が当たらず日陰になってしまっているようです。15時過ぎから損失割合が急激に悪化しているのはそのためでしょう。
気温の変化
発電量の違いに影響したのは気温ではないかと思い、まず気温のデータを調べました。
ところが意外にも発電中の平均気温が一番低かったのは11/4でした。また気温差も僅かで、この3日間の発電量に差が生じた主な原因は気温ではなさそうです。(結晶系のパネルでは温度上昇 1℃につき発電出力が約 0.4%低下すると言われていますので、気温の影響が全くなかったわけではありません)
ただし発電量の多かった11/3は朝6時の気温が10.7度と一番高いのですが日中の気温の上昇は鈍く、11/4,11/5は逆に、朝の気温こそ低いのですが日中の気温の上昇幅が大きく、これに伴いパネル温度も上昇してしまったのではないでしょうか。
発電量に影響した要因
他の気象データの中から11/3と他の日で違うものを探したところ、一点だけ明らかに違うものがありました。風速と風向でした。先ほどの気温の上昇に影響を与えたのもおそらくこの風速と風向のようでした。
11/3は日中、北から北西の風が4~5m吹いており、他の日についてはおおむね南東方向からの2m程度の弱い風しか吹いていませんでした。
この日の天気図を見てみると、前日まで雨をもたらした低気圧が東の海上に抜けた後、西から移動性の高気圧が張り出し、等圧線の幅は広いものの、西高東低の冬型の気圧配置となっていました。北西からの季節風が吹いたのはこれが原因かと思われます。
これ以外の気象条件に目立った差はなかったことから、今回発電量に差が生じたのは風の影響と推測できます。風によって気温の上昇が抑えられたのと同じく、パネルの温度上昇が抑えられたのが要因かもしれません。
他の損失要因としてはパネルの汚れも考えられますが、一日でパネルの汚れに極端な差が生じる可能性は低いと思われます(ただし可能性はゼロではありません)。これについては直接目視できる環境になかったので、真偽は定かではありません。
最後に
色々とデータを見ていくと発電量には色々な要素が絡んでおりなかなか興味深いものがあります。
これから冬になると晴天が続き、北西からの強いからっ風も吹き荒れますので、その時の日射量と発電量の関係もどうなるのか面白そうです。
ただしこんなことを一生懸命考えても一向に発電量は増えないのが悲しい所ではあります。
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